projectsー服の亡霊ー
日本国内において、年間50万トン以上の衣類が廃棄されている。商品タグが付いたまま廃棄されることも少なくない。更に、廃棄される衣類は、製造から廃棄までの過程において、水消費、CO2排出、水質汚染や生物多様性への影響等の問題を抱えている。

上記の問題には、SDGsの1「貧困を無くそう」、2「飢餓をゼロに」、10「人や国の不平等をなくそう」、12「つくる責任 つかう責任」、13「気候変動に具体的な対策を」、14「海の豊かさを守ろう」等が密接に関連している。しかし、進捗状況は正直芳しくない。

こんな状況に一石を投じたいという想いから、僕の友人である一人の古着屋オーナーに声をかけて、このプロジェクトは始まった。
ファッションや写真ができることって何だろうか、ということを考えたとき、どちらも「伝える、表現することには強烈なツールである」ということを再認識した。いうまでもなく写真は視覚的に写真家の意見や視点を伝える。ファッションもそうだ。ボンテージパンツという囚人服をご存じだろうか。両足に紐がついており、自由に足を動かすことが難しくなるように設計されている拘束具の一種だ。そんなパンツを履いて1960年代の若者たちは「自由」を求めて運動を続けた。自由を求める者のユニフォームとも言えるほどこのパンツは広がりを見せ、今でもファッションブランドが取り入れるデザインとして残っているほどである。
このように写真もファッションも、伝えるという点において効果的である。渦中のSDGsで幾度となく話題に挙げられるファッション業界のプロダクト(製品)を通して、SDGsと謳うだけでは一向に問題は解決しないのだ、というメッセージを伝えたかったーファッションと写真を使ってー。
今回のスタイリングは、大量生産・大量廃棄のかげで犠牲となった「服の亡霊たち」が、売れていく服にしがみ付く様を表現している。新品のまま大量の服が廃棄されるなど、ファッション業界が抱える問題を纏った今回のスタイリングをきっかけに、改めてSDGsについて考える人が一人でも増えればと切に願う。
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スタイリング・デザイン: PowaLe 前田
撮影:斎藤れおん
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